リライト -rewrite-

1. 事実
 ビアード・パパ*1のレジの女の子がとてもかわいかった。
にっこりと微笑んでシュークリームを渡してくれた。





2.リライト(エッセイ・バージョン)
 そのシュークリーム屋の女の子は、レジをすばやく打ったあと、シャルロット・チャーチの歌声みたいなかわいい笑顔*2で、白い粉砂糖を振ったシュークリームを僕に渡してくれた。
 僕もipod*3のイヤホンをとって、彼女にありがとうを言い、にっこりと微笑む。
これって小確幸*4だよね。





3.リライト(ノヴェル・エクステンション・バージョン)
 ドーナツ屋*5の赤と黄色のカラフルなユニフォーム*6を着た女の子は、氷の上をすべるように、ドーナツ*7に白い粉砂糖をふったあと、てきぱきとレジを打った。
 そして、とてもかわいくにっこりと笑って、どうぞとチョコレート・ドーナツを差し出してくれた。
 あたりにはシャルロット・チャーチの聖歌の歌声が響き、夢の中を泳ぐような雰囲気のなか、僕は自然と彼女に恋をした。
 あまりにも突然な感情の隆起に、僕はいささか戸惑い気味にうつむいて、白いTシャツに目を落としながら、もごもごと言った。
 「どうもありがとう」






 ノヴェル・エクステンション・バージョンは、明らかに「おふざけ的に・やりすぎ」です。
 本文より脚注のほうが濃い士郎正宗的なスタイルにしようかと思ったんですが、マンガじゃなくて文章だと、ただの「文科系論文」にすぎなくなってしまうことに気がついてやめました。
 普段の僕ならエッセイ・バージョンを採用すると思います。

*1:パイ生地で外の皮を作るシュークリーム屋;現在のつばめのあごひげとは関係ないです

*2:表情とか仕草がかわいいコって萌えるよね

*3:事実とは違うが、ここはipodだと説明の必要がなくなるので

*4:ハルキスト御用達のエッセイ用語、「小さくとも確実な幸せ」;詳しくは村上春樹のエッセイを参照のこと

*5:のっけからやりすぎであるw、シュークリーム屋だからこそ、の話が崩れてしまった

*6:日本で独占的に売ってるあのドーナツ屋をイメージしてください

*7:もちろんハルキストならぴんとくるキーターム